住宅用ドラム防音ブース?
 
 たまたまドラム・レッスン室(=ブース)の検討をする機会に恵まれました。

(概念設計はこちら

 ドラムス対応の遮音は難度が高く、これまで敬遠してきた分野です。

「難度が高い」ということの理由ですが、物理的に出来ないということではなく、
 他 の
生活要素と折り合いをつけることが難しいから、ということになります。

 −特に低域(125Hz)における遮音性能を確保するために、遮音パネルは重量級となり
   結果
として防音ブース全体の重量は「!」となります。

  *バスドラの周波数は40Hz付近がピークで音域は大体30Hz125Hzです。

 −同じく遮音性能を確保するために、壁・天井・床に空気層(厚い方がよい)
  を設置し
ますが、それぞれが厚くなり、ブースの室内が狭くなります。

 −加えて、床については振動遮断のために防振パッドを多段で使用、ブース全体を
  いわば
フローティングさせることになります。

 振動源はキックドラムだけではありません。シンバルを叩く振動もスタンド経由で
  床へ
伝わります。

最も論理的な解は、既存の部屋の中に(床以外は)既存の部屋と接触しない部屋
(=外側
ブース)を造り、更にその中に外側ブースと床以外は接触しない内側ブース
を造ること
です。

外側ブースと内側ブースの間の空気層は200mmもあれば十分でしょう。この空気層
はグラスウールで「ダンプ」します。

これはまるでロシアのマトリョーシカ人形のようなものです。

ブース自体はツー・バイ・フォーでも構いません。ただし、サンドイッチパネルの
空気層
にはグラスウールを充填します。

しかし、問題は、このマトリョーシカ方式の壁厚です。

ツー・バイ・フォーの壁パネルの厚さは:

9mm(構造用合板)+89mm(フレーム)+9mm(構造用合板)=107mm

となりますので、2重壁の厚さは:

107mm200mm(空気層)+107mm414mm

となります。仮に空気層の厚さを100mmとしても314mm。これはとても厳しい状況
です。

また、ツー・バイ・フォーのサンドイッチパネルの9mm構造用合板だけでは遮音上・
音響上好ましくないので、両側にプラスターボードを貼る必要もあります。すると、
ますます壁厚は増えてしまいます。

もっと現実的な解はないのか?ということで考案したのが、

「住宅居室内へのドラム用防音ブースの設置検討」です。

このやり方ですと、木造軸組みの部分がサウンド・ブリッジになってしまいますが、
概ね40dBZの遮音性能を持つ防音ブースが出来ます。

元々の部屋の遮音性能を25dBZ(ただし窓部分を除く)としますと、合算遮音性能は
40dBZ25dBZ65dBZとなり、ドラムの最大音圧を110dBZとしますと、

110dBZ65dBZ45dBZとなります。

これなら「まあまあ」ではないでしょうか